受付時間(月~金)9:00~12:00 /15:00~19:30(土)9:00~12:00 /14:00~16:00(日・祝祭日 休診)

世田谷区祖師谷・千歳台・成城・砧・喜多見・狛江市で「膝の痛み」「坐骨神経痛」「むち打ち」治療ならNALU整骨院

なぜ私の膝は内側が痛いの?その原因と対処法を徹底解説いたします!①「鵞足炎」編

 
Why does my knee hurt inside? We will thoroughly explain the cause and remedy! ① "Pes anserine"
この記事を書いている人 - WRITER -

「膝の内側が痛いんですが、私の場合、ちょっと変な場所が痛いんです」

こんな方いらっしゃいますよね?

そこであなたは以下のように考えているのではないでしょうか?

  • 何でこんな場所が痛くなるのだろう?
  • 病院で「軟骨がすり減っていて、骨と骨の間が狭くなっているのが痛みの原因です」と言われたけれど、本当にそれが自分の膝の痛みの原因なのだろうか?
  • 軟骨というよりは、筋肉のあたりが痛いような感じがする
  • シップ・痛み止め薬・電気・マッサージ・リハビリだけで本当に治るのだろうか?

当院に膝痛でご来院される患者様の訴えで、一番多いのが「膝の内側の痛み」です。

でも痛みを発する場所は十人十色で、「膝の内側」と言っても、「膝のお皿の真横」だったり、「膝のお皿の斜め下」だったり、もっと下の方の「すねの骨の内側」だったり、人それぞれです。

なので、それぞれが近い場所にあっても、痛い場所自体が違うので、痛みの原因もそれぞれ違ってきます(膝関節の構造は複雑ですからね)。

しかし、それぞれの原因を一つの記事にまとめると、スゴく長くなってしまうので、今回は「膝の内側の痛み」の中でも、「すねの骨の内側」が痛くなる原因と、その対処法についてお話ししたいと思います。

この記事をお読み頂くと、あなたが悩んでいらっしゃる、ちょっと変な場所が痛む「膝の内側の痛み」のことが良くわかり、きっと今後の治療のお役に立つことでしょう。

 

すねの骨の内側には何があるの?

私たちの膝関節は、骨・筋肉・靭帯・滑膜などで作られていますが、今回のテーマの「すねの骨の内側」には何があるのでしょう?

そこには「鵞足(がそく)」と呼ばれる、筋肉と骨がくっついている部分があります。

鵞足は3つの筋肉で作られていて、前の方から順番に①「縫工筋(ほうこうきん)」②「薄筋(はっきん)」③「半腱様筋(はんけんようきん)」という筋肉が、「すねの骨の出っ張りの下」で集まって作られています。

そしてこの3つの筋肉には、「膝を曲げる」「すねの骨を内側に回す」という同じ働きがあります。

また「鵞足」という変な名前の由来ですが、その形がガチョウの足に似ていることから、この名前が付けられています。

 

「鵞足炎」の原因とは?

ほぼ「薄筋」に問題がある

鵞足は3つの筋肉で作られていますが、痛みを引き起こす筋肉は、ほぼ「薄筋」であると言われています。

ではなぜ「薄筋」が問題になってくるのでしょうか?

それは「薄筋」には痛みを引き起こしやすい、以下の2つの「構造上の問題」があるからです。

①「薄筋」は下にある

「薄筋」は上下の位置関係でいうと下にあり、その上に「縫工筋」が乗っかっている作りになっていて、「すねの骨の出っ張り」に近い「薄筋」には、強い摩擦力が生まれてしまいます。

逆に「縫工筋」は、下にある「薄筋」がクッションになっているので、摩擦力は強くありません。

②「薄筋」は骨盤の前から始まっている

「薄筋」は骨盤の前の方から始まっているので、膝を曲げる時に、前の方に引っ張られる作りになっていて、特に「すねの骨の出っ張り」部分で強く引っ張られ、強い摩擦力が生まれてしまいます(「縫工筋」も骨盤の前の方から始まっているので、強い摩擦力が生まれてしまう作りをしていますが、上にも書いた通り、「薄筋」のおかげで摩擦力は強くありません)。

逆に「半腱様筋」は、骨盤の後ろの方から始まっているので、膝を曲げる時に、筋肉が少し後ろ側に逃げることができる作りになっていて、「すねの骨の出っ張り」部分での摩擦力は強くありません。

また補足説明なのですが、上の話しの中で、「骨の出っ張り部分には強い摩擦力が生まれてしまう」と何度も書いたので、その理由もご説明したいと思います。

例えばの話しですが、崖の下からロープの先に付いた荷物を、崖の上に引き上げているという状況をイメージしてみて下さい。

荷物を引き上げて行くと、崖の角張った部分でロープはこすれて、ケバ立ってしまい、傷ついてしまいます。

それと同じようなことが、人間の体にも起こっています。

腕でも、足でも、自分の体を触ってみると、関節の辺りに「骨の出っ張り」があるのがわかると思います。

この「骨の出っ張り」には、出っ張ることで上下の骨の「接地面積」を増やし、関節の安定性を高める大切な働きがあります。

しかし、臨床の現場で様々な患者様を診ていると、膝痛に限らず、関節の曲げ伸ばしで痛みを発する部分で特に多いのが、この「骨の出っ張り」に関係する部分にあります。

薄筋」が硬くなる環境

「薄筋」には「構造上の問題」があり、強い摩擦力が生まれやすいという、お話しをしました。

ただ日常生活の中で普通に使っている分には、「すねの骨の内側」部分で、強い摩擦力が生まれることはありません。

では、どうなると「薄筋」は硬くなってしまうのでしょうか?

それは以下の3つの環境が考えられます。

①オーバーワークによる「薄筋」への負担増大

仕事や生活習慣での使い過ぎ、スポーツのやり過ぎ、歩き過ぎなどの「オーバーワーク」により、「薄筋」への負担が大きくなってしまう

②X脚による「薄筋」への負担増大

X脚のニーイン・トゥーアウト(膝が内側に、つま先が外側に向いてしまう)構造により、膝関節を外側に反らせてしまい、「薄筋」に強い張力を発生させてしまう

③O脚による「薄筋」への負担増大

O脚になると常に膝が曲がってしまい、膝関節を曲げる働きのある「薄筋」に、大きな負担を掛け続けてしまう

以上のような環境にあると「薄筋」が硬くなってしまい、以下のように「炎症」を引き起こしてしまいます。

鵞足滑液包」が炎症を引き起こし、痛い

上でもお話ししましたが、「骨の出っ張り」近辺は摩擦力が強くなりやすい部分なので、人間の体には「滑液包(かつえきほう)」という潤滑油が入った小さな袋がところどころにあり、摩擦力が強くなり過ぎないようにしています。

当然、「薄筋」と「すねの骨の出っ張り」が擦れる部分にも、「鵞足滑液包(がそくかつえきほう)」という「滑液包」があり、正常な時はこの「鵞足滑液包」が摩擦力を少なくしてくれて、炎症が起きないようにしてくれています。

しかし「薄筋」が硬くなってしまうと、「鵞足滑液包」に摩擦を軽減できる範囲を超えた強い圧力が加わってしまい、その結果、「鵞足滑液包」が炎症を引き起こし、「すねの骨の内側」が痛くなってしまいます。

痛みの出る場面

膝を伸ばす時、足を着く時、階段を下りる時などに痛みが出るのが特徴です。

なぜ膝を伸ばす時に痛くなるのかというと、膝が曲がった状態で「薄筋」に力が加わっていない時、「薄筋」は緩んでいますが、膝を伸ばす時に「薄筋」はピーンと張り、「すねの骨の出っ張り」部分に擦れるような力(スナッピング障害なんて呼ばれる状況です)が発生するために、痛くなってしまいます。

 

「鵞足炎」の対処法とは?

急性期は「鵞足」を冷やす

「鵞足」部分を触って、熱感(急性期=ケガの状態)があったら「アイスバッグ(氷のう)」などで、まずは冷やしながら安静にします。

「薄筋」を緩める・伸ばす

熱感が収まったら、次は「薄筋」を緩める・伸ばすという対処法をします。

「鵞足炎」は、「薄筋」が硬いと痛くなるという「単独事故」みたいなものなので、単純に「薄筋」を緩めたり、伸ばしたりして硬さを取り除くことで、その下にある「鵞足滑液包」の摩擦力も減少し、炎症も改善します。

やり方は、以下のセルフマッサージ(横方向・縦方向)と、ストレッチが効果的です。

セルフマッサージ(薄筋を横方向へ緩める

①膝を伸ばし、つま先を上に向けて開脚すると、内ももにピーンと一番張った筋肉(薄筋)に触れられるので、確認する

②「薄筋」を確認出来たら、両手の指を「カギ状」に曲げ、「薄筋」の下側をつかむように4本の指を押し当てる

③股関節に近い部分の「薄筋」をつかんだ状態で膝を曲げる

④股関節に近い部分から膝関節に向かって場所を変えながら、「薄筋」の下をつかむように、4本の指を押し当てて緩めて行く(ゆっくり10回ほどやる)

■ セルフマッサージ(薄筋を縦方向へ緩める)

①上のマッサージ(薄筋の下側)が終わったら、母指球(手のひらの親指の付け根の膨らみ部分)を「薄筋の膨らみ」部分に押し当てる

②股関節に近い部分から膝関節に向かって場所を変えながら、「薄筋の膨らみ」部分を擦るように、母指球を押し当てて緩めて行く(ゆっくり10回ほどやる)

■ ストレッチ

①膝を伸ばし、つま先を上に向けて開脚すると、内ももにピーンと一番張った筋肉(薄筋)を確認できるので、上半身を前に倒しながら伸ばして行く(10秒ほどやる)

②つま先を少し内側に入れると、さらに「薄筋」が突っ張るので、その状態で上半身を前に倒しながら伸ばして行く(20秒ほどやる)

 

根本的に改善したい場合は?

仕事や生活習慣での使い過ぎ、スポーツのやり過ぎ、歩き過ぎなどの「オーバーワーク」により鵞足炎が起きた場合は、スポーツなどを控えて、痛みが改善するまで上に書いた「対処療法」を継続して行えば良いと思います。

しかし、O脚・X脚の曲がり・ねじれなどの「構造的な鵞足部への負担」が、痛みを発生させている原因であれば、上の「対処療法」で痛みが軽減したとしても、同じような生活習慣を繰り返せば、また「鵞足炎」になる可能性があります。

なので根本的に痛みを改善したいのであれば、上の「対処療法」と一緒に、「根本療法」をするのがおススメです。

「鵞足炎」にならないためには、根本の原因を消滅させましょう。

ではO脚やX脚などの構造的な問題を解決するのは、どうしたら良いでしょうか?

答えは「姿勢」にあります。

生まれ持った特徴(先天的)としてO脚だったりX脚だったりすることはありますが、私たちの膝が痛みを発するようにまで、O脚・X脚が進行してしまったのは、生活習慣(後天的)であることは間違いありません。

「生活習慣の悪さ」が、「姿勢の悪さ」を引き起こしています。

なので、根本的に膝の痛みを発生させないためには、「姿勢改善」が必要不可欠となります。

この「姿勢改善」については、また別の記事でご紹介したいと思いますので、ぜひそちらの記事もあわせてご覧下さい。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

膝の内側の痛みの原因の一つ「鵞足炎」の原因と対処法がおわかりになったでしょうか?

勝負に勝つ(痛みの改善)には、まず「敵の情報と攻略法」を知ることです。

これなくしては、勝負に勝つことはできません。

ぜひこの記事を良くお読み頂いて、今後の治療にお役立て下さい。

またこの記事に書ききれなかった、他の原因による「膝の内側の痛み」も、別の記事でご紹介したいと思いますので、ぜひそちらの記事もあわせてご覧下さい。

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。