なぜ朝起きた時が一番腰が痛いのか?3つの原因と解消方法をご紹介!
「朝起きる時、腰が痛くて起き上がれない」
「朝起きて30分~1時間もすると腰が痛いのが治まってくるのになぜ?」
なんて人いますよね?
当院の患者様で慢性腰痛の方でも、一日中腰が痛い訳ではなく、一定の条件がそろった時に痛みを感じるという方を多く見かけます。
私の経験上、次のようなタイミングが最も腰が痛いと感じる方が多いようです。
- ずっと同じ姿勢でいる時(座りっぱなし・立ちっぱなし)
- 長時間座っていた姿勢から急に立ち上がる時
- 朝起きた時
上の2つは何となく理由は分かると思いますが、3つ目の「朝起きた時」ってなぜだか分からない方も多いと思います。
そこで今回は「なぜ朝起きた時に腰が痛いのか?」、その原因と解消法をお教えしたいと思います。
朝起きた時の腰痛の3つの原因とは?
① 活動時間中に硬くなってしまった筋肉をケアしていない
通勤で行き帰りの電車や車での移動や、仕事で立ちっぱなしや座りっぱなしなど、日中の活動時間に筋肉が緊張し硬くなってしまっている状態を、何のケアもせずにそのまま寝てしまうと、朝起きた時の腰痛の原因になってしまいます。
② 筋肉の硬さにより寝返り回数が低下している
寝返りの回数は個人差がかなりあって、少ない人だと3~4回、多い人だと30回以上とも言われています。
腰が痛くない人なら回数なんて関係ありませんが、腰が痛い人のケースだと以下のような順序で寝返り回数が少なくなり、腰が痛くなってしまいます。
「筋肉が硬い」状態で寝る
↓
「筋肉の硬さにより寝返りが上手くできない、又は腰が痛いので寝返りを避けようとする」
↓
「寝返りの回数が少なくなる」
↓
「腰周りの筋肉の圧迫時間が長くなる」
↓
「血流が悪くなり、痛み物質が発生する」
↓
「朝起きた時に腰が痛い」
という構図になってしまっています。
③ 就寝中の体温低下により筋肉が冷えてしまっている
人間は就寝中に体温を下げて、自律神経の働きや、腸内活動を活発にしたりします。
体温が生理的に下がる事は仕方ありませんが、必要以上に自分自身で体温を下げてしまうことが多々あります。
ついついやってしまうのが夏場だと「薄着と冷房による冷え」。
冬場だと「室内温度の低下による冷え」と、「寝具を厚くし過ぎてかえって布団内部が暑くなってしまい、掛け布団を自らずらしてしまう」ことです。
体が露出する事で特に腰周り~ふくらはぎの筋肉が冷えて硬くなってしまい、腰痛を誘発する条件となってしまいます。
以上の3つをご覧いただければ一目瞭然ですね?
朝起きた時の腰の痛さの「本当の原因」は、「筋肉の硬さ」です。
なぜ朝起きた時の腰痛を解消するために「本当の原因」を知らなければならないのか?
テレビ番組やインターネット、書籍には、
- どの寝方が腰に良いのか?
- どういった寝具が腰に良いのか?
などを説明した情報が溢れかえっていますが、「問題の本質」や「本当の原因」はそこにはありません。
なぜかと言うと、「本当の原因」を解決せずに寝方と寝具を変えても、朝起きた時の腰の痛さは改善しないからです。
寝方の話しで言うと、「仰向け」や「横向き」で寝始めても、結局は睡眠中に寝返りをし、体勢が変わってしまうので、寝初めに寝方を意識しても意味がありません。(例外として妊婦の方はお腹が大きいので横向きが良いとされています)
また寝具の話しで言うと、柔らか過ぎれば体が沈み込んでしまい腰痛を誘発するし、硬過ぎれば体の接地面積が狭くなり、その部分に集中して圧力が掛かって血流が悪くなってしまいます。
なので、柔らか過ぎず、硬過ぎず、自分にとって快適だと感じる寝具を選ぶのが腰にとってはベストです。
快適な感じというのは自分でしか分からないので、そもそも「柔らかい・硬い」の良さを議論しても意味がありません。
必要なのは、
- 睡眠に入るまでに筋肉が柔らかくなっている
- 睡眠中に筋肉が冷えずに保温されている
という事です。
何度も触れますが、本当の原因は「筋肉の硬さ」です。そこを理解しないと、あの手この手で色々やったところで根本的な原因が解決していなければ、「寝方」や「寝具」を変えて一時的に腰痛が軽減されたとしても、結局は何かのタイミングで必ず痛みは発生してきます。
ではどうするのか?
答えは「あなたが意識して何とかできる事をする」事です。
朝起きた時に腰が痛くならずに済む方法とは?
そこで腰痛の専門家がおススメする方法は、
① 寝る前にストレッチをして筋肉を柔らかくする
「筋肉が硬い = 腰に悪い不良姿勢を維持している」ので、筋肉の硬さをストレッチで取り除き、柔らかくなっている状態で寝ると、腰に負担が少なくなり、朝起きた時の腰の痛みは減少します。
( → 腰痛に効く7つのストレッチを参照 )
② 腰周り~ふくらはぎの筋肉を冷やさない
夏場であれば、短パンではなく、薄手でも良いのでロングパンツをはいてふくらはぎが露出しないようにします。バカボンのパパではないですが、「腹巻き」もおススメです。
冬場であれば、吸汗・発汗しやすい素材の掛布団にして、布団内部が湿気で暑くなり過ぎないようにして、掛布団がはだけないようにします。
夏場・冬場ともに共通するのは、「冷え対策」をしっかりして、腰周り~ふくらはぎの筋肉を冷やさない事です。
まとめ
朝寝起きに腰が痛くならない方法は、
- 寝る前にストレッチをして、筋肉を柔らかくする
- 腰周り~ふくらはぎの筋肉を冷やさない
です。
上記をやっても中々良くならない場合は、2~3回やって効果がないから自分には合っていないと思わないで、10日~2週間やり続けて下さい。
私の経験上、効果が現れない人は、その方法を十分にやっていない・やりきれていない場合がほとんどです。
中途半端に解消方法を試してみても、偏った生活習慣によるの筋肉の硬さは簡単には取れません。
「継続は力なり」でやり続けると、効果は必ず現れますので、ぜひ頑張ってやってみて下さい!
追伸
寝具の話しですが例外があり、ベッド・マットレスは長く使い込んでいるとヘタってきて、柔らかくなり過ぎてしまいます。バネやコイルの反発力の弱いマットレスは柔らか過ぎて、腰痛になる条件を揃えてしまいます。心当たりのある方はこの機会に新調しましょう。